老齢の家族の聞こえが悪くなり、ご本人ではなくご家族から補聴器の装着を考えたいということで相談されるパターンがあります。その場合ご本人が積極的でないと今一つです。 認知症の予防として聴覚による脳への刺激は非常に大事です。会話の中でいろいろな感情が脳を刺激してくれます。他者とのコミュニケーションができなくなると、孤立傾向になってしまい、うつ傾向になってしまうこともあります。特に独居老人の場合は社会とのかかわりが煩わしくなり、より認知機能の低下があると考えられます。
そういう意味では補聴器は有用ですが、かなりのご高齢になると耳に入れるという動作が煩わしくなり、またフィッティングが良くないと雑音ばかりが入ったりして、結局使わないということになったりします。ですから、中等度の難聴が始まり日常生活が少し困るようになったら考えてもいいと思います。補聴器に慣れるということが大事ではと思います。
患者さんの中には聞こえがかなり悪くなると身体障害者として認定を受けられ、補聴器の補助が受けられると誤解してお見えになる方もいます。役所に相談したらにすぐに「書類を書いてもらうように」と指示を受けて来院される方もいます。
身体障害者の認定は厳密にさせていただきます。該当しない場合には丁寧にお話しさせていただきます。
最近の補聴器は非常に性能も上がっていてチャンネル数も多くなり、余計な雑音をカットするようになり、煩わしい電池交換もしないで充電器に差し込むだけで良いものもあります。またスマートホンと連動していろいろな操作ができるようのもなっています。
でもやはり電気器具ですから、新しく耳を挿げ替えるわけではないので限界はあります。
質問の一覧へ
|